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2012/4/17 春の唄


   ららら 赤い花束 車に積んで 春が来た来た 丘から街へ   
                      (『春の唄』より 作詞 喜志邦三)


戦前の歌、昭和12年に発表された「国民歌謡」のひとつ。
阪急西宮北口の駅前風景、北口市場あたりをうたったものらしい。
(震災で大打撃を受けたエリア)
車は自転車のこと。
丘から街へ、まさにそんな地形の場所だ。
丘の中腹にはスペイン風の学舎があって、これは貴志氏が教鞭をとっていた神戸女学院だ。
今は全く様変わりした西宮北口だが駅前広場に歌碑がある。
僕の好きな浜田真理子さんも歌っている。
http://www.youtube.com/watch?v=3w6NbJ--oe4


…春を通り越してきょうは初夏のような日だった。
春から夏へ、桜の花びらが季節の川を流れていく。
年々、春と秋が短くなっていく。
日本はもう少しマイルドな気候の島だったような気がするが…。
これもグローバリゼーションなのか。

 

…夙川沿いの八重桜が咲き始めた。
造幣局の通り抜けも今日から始まる。
誰かが植えたチューリップが咲く。
花に気をとられていると世界は新緑に満ちている。
近所の家のヤマブキも八重の花を咲かせる。
ジョギングから帰るとうちの花も見てやってよ、とヒロがベランダを指さす。
サクラソウが咲いていた。


…今日はニュースデスク。
シャツ一枚で十分、それでも暑いくらい。
半袖にジャケットでいいくらい。
でも、サマージャケットなんて持ってないのだ。


女子ボクシングのしずちゃんの記者会見が新大阪のホテルであった。
中継映像が送られてくる。
アマチュアボクシング協会主催だが出席者が9人もいる。
協会会長の横に会長代理。
本人が出席してるのに代理も出席。
笑ったけど笑えない。
テレビ局でもこんな事例はいっぱいあるから。
不要なポスト、責任分散化。
誰も責任をとらないシステムの構築。
日本政府も戦前からそうかもしれない。
だからサッチャーとか、石原慎太郎とか、橋下徹がエッジを効かせた存在になりうる。


無責任な仕事のオファーに憂鬱になる。
やだね。


西加奈子のエッセイを帰りの電車で読んでたら思わず吹き出す。
深夜の帰宅電車はけっこう混んでいる。
かまうものか。


西加奈子は短編をいつくか読んだが自分とは合わなかった。
でも、エッセイはツボにハマってしまった。
そもそも雑誌『大阪人』でミナミでのバイト生活を描いた描写に一目惚れした。
電車で読んでいたのは文庫になった『この話、続けてもいいですか』(ちくま文庫)だ。

この話、続けてもいいですか。 (ちくま文庫)

この話、続けてもいいですか。 (ちくま文庫)


吹き出した箇所ではないがイヌについての描写には感心した。

  犬も猫も好きです。
  犬の「撫でる?ね、撫でる?」と期待に胸膨らませている表情が好きです。
  ボールを持てば「投げる? ねえ、投げる?」。
  立ち上がれば「歩く? ねえ、歩く?」。
  あのどこまでもキラキラした、無垢な黒目がちの目が好きです。
  ちぎれそうなほど降る尻尾が、地面を蹴る香ばしい匂いの肉球が、
  後ろ足を持ち上げたときの困った顔が好きです。
  可愛さが過ぎて、撫でるだけでは足りず、私はよく実家の犬を噛んでいました。
  「痛いけど、これ、遊び? ねえ、遊び?」
  彼女は決して、私を押しのけはしませんでした。
                 (『この話、続けてもいいですか?』より)

  

 

五十嵐みきおのマンガ『ぼのぼの』を思い出す。
「いぢめる? ねえ、いぢめる?」
犬の人を疑らないこういうとこが可愛いと思う。
でも、こういう女は可愛いとは思わないし、出来るなら避けたい。


「回す? ねえ、回す?」

 


追記

南の島で新たな職を得たミネーロがiPhoneで撮った写真。
アイルランドの西海岸でこんな風景を見た。(畑の様子は違うけど)
   
この石造りの囲いは珊瑚で出来ている。
最初の仕事がこの石を積むことだそうな。
なんだかシベリアに送られた捕虜のようだ。
三途の河原のようだ。
でも、ランチには自炊のコロッケ弁当を美味しそうに食べている。
しあわせな島流し。