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2011/4/18 吉野山ぷよねこ花見旅

大向こうから、よしのやま−!、当代一、いや歴代一! と声がかかるのではないか。
佐藤忠信花矢倉の展望所から眺めた吉野の里の山桜花。


  吉野山 絶えず霞のたなびくは 人に知られぬ 花や咲くらん   題知らず


  吉野山 消えせぬ雪と見えつるは 峰続き咲く 桜なりけり    よみ人知らず

  
若き日、吉野の山奥に3年ほど庵を結んだ西行が詠んだ歌。


  雪と見て かげに桜の 乱るれば 花の笠着る 春の夜の月    西行


昨日は望月、吉野に泊まったなら月光に浮かび上がる吉野桜を見られたのではないか。
「花の笠着る春の夜の月」 西行にも、 さいぎょうほうし! と一声かけたい。


…念願の吉野の桜を見に行く。
去年も一昨年も計画したが決行できないまま時は過ぎた。
ことしは18日に行こうと一週間前くらいから計画していた。
天気予報はくもり時々雨、降水確率は60%だ。
雨天決行を決めた。
山登りの装備は万全だし、写真を見て雨に煙る吉野桜も悪くないと思ったからだ。
それに…静御前と狐忠信も、おいでおいで、と誘っているじゃないか。

 

自宅10時00分発 〜(自転車)〜JR西ノ宮駅〜(JR)〜天王寺駅
〜近鉄あべの橋駅〜(近鉄急行)〜吉野駅12時52分着
吉野駅〜下千本〜中千本〜上千本 往復徒歩4時間
近鉄吉野駅17時43分発〜(近鉄急行)〜あべの橋駅
JR天王寺駅〜(JR)〜西ノ宮駅20時03分着


吉野山はこんな感じになってます。
駅前から下千本、中千本、上千本と山を登っていく。
その先に大峯山、さらに熊野大社と遙かなる熊野古道が続きます。

 

吉野駅の改札から出ると桜吹雪が出迎えてくれた。


これ以上あり得ない歓迎です。
下千本の桜は散り始め、ケーブルには乗らずに七曲がりを歩いて登る。
予報に反して晴れ間が覗く。
桜と深緑のコントラストが鮮やか。
道ばたにニリンソウやシャガの山野草が咲く。
いい気分でニコニコして歩く。


赤い欄干の橋を渡る。
橋の下に川はない。
この橋を渡ると聖なる世界に足を踏み入れることになる。
結界に架かる橋、『千と千尋の神隠し』の世界なのだ。
と、思い込んでいたら戦略上の橋だと案内板に書いてある。
ある意味で吉野山は独立王国なのだ。
僕の思いこみでした。(失礼!)
橋の上に立って桜吹雪を浴びる。
しかし、そんな風流な気分ではいられない。
参道は観光客でごった返している。
人並みをかきわけ歩く。
月曜だし、天気予報も良くないし人出は少なめかなと期待したが裏切られた。
昨日までの週末は恐ろしいことになってただろう。


中千本あたりは満開、さすが吉野山という景色が展開する。
茶屋や旅館、民宿も座敷は桜ビュー、国立のドトールを思い出す。

 

吉野山の桜はほとんどが野生種であるシロヤマザクラ。
ソメイヨシノに比べ小さな花がたくさん咲き、香りも強いような気がする。
(ソメイヨシノはヒガンザクラとオオシマザクラを合わせた園芸種)
過酷な山の風雪に耐える野性の桜、寿命も長いらしい。
ソメイヨシノには「60年寿命説」がある。
100年を越える樹は少ないのだそう。
成長は早いが寿命は短い。
シロヤマザクラには樹齢500年、なかには900年という古木もあるそうだ。
ということは、義経が隠遁していた頃に幼木だった桜が現存している可能性もあるのでは?
静御前が愛でた桜もあるのでは?
そんなことを想像しながら歩く。


上千本あたりもほぼ満開。
花矢倉という展望所からの眺めはまさに絶景かな絶景かな。

 

矢倉というのは弓矢で戦いをする時に敵を迎撃したり見張りをしたりする場所。
『義経千本桜』で有名な義経の忠臣 佐藤忠信が主君を逃がすべく陣地を築いて戦った。
浄瑠璃や歌舞伎では「吉野山」という段なのだそうな。
一般に「吉野山」と呼ばれるのは静と忠信が吉野へやってくる道中の「道行初音旅」を指すが、
桜満開の頃に忠信が狐の助太刀を得て戦うアクションな場面が本来の「吉野山」なのだそう。
見張り&迎撃の陣地か、なるほどご覧の景色が望めるわけである。
敵は蔵王堂の僧兵だったかな?
歌舞伎の「蔵王堂」では確かそうだったような。
(あとでちゃんと調べましょうね。)


海老蔵が大暴れした蔵王堂です。西麻布で大暴れした(された?)のはその後でした。


吉野は来るたびに思う。
つくづく不思議な場所だ。
日本人にとって何故だか懐かしい祝祭空間。
平安時代に敵を逃れ隠れ住むのにはこんなところまで来なければならなかったのか。
加えて南北朝時代、分裂政権とはいえ日本の都になったこともあったとは。


ヒロは若い頃に桜の季節にも何度か来たらしい。
曰く、昔はもっと凄かった、とのこと。
初めてだったから感動が大きかったのかも、と冷静な自己分析。
僕は10年前くらいの紅葉の季節に来たが春は初めて。
秋も良かったが春も大満足、ただ混むのが残念。
特にマイカーをもっと規制して欲しい。


花見旅の記録をムービーにしました。
今回はちゃんとHDムービーカメラ(Canan Ivis HFS10)で撮影しました。
静止画は前回と同じSONY CIBER SHOT (DSC-T99)でしたが、これがやっぱり物足りない。
デジイチ画質が欲しいなあ。それとももっと大きなサイズにすればいいのかな。
でも、HDカムとデジイチ持って歩くのは面倒です。
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今回の大きな驚きはコロッケ!
たまたま帰りに参道にあった肉屋で揚げたてを買う。
一個100円、歩きながら二人で半分こして食べた。
これが旨かった。
これ美味しいとヒロも大絶賛。
胡椒がきいたホクホクのマッシュポテト、挽肉もゴロゴロと入って贅沢。
味付けが甘すぎず大人の味。
一人一個ずつ買えば良かったと後悔。
買いに戻ろうかと思ったくらい。
吉野駅からだと蔵王堂より手前の参道の右側。
帰ってネットで調べても全く引っかからない。
次に行く機会があれば必ず買おう。


帰りもあべの橋駅(天王寺と同じ)まで急行で行く。
次の駅、吉野神宮あたりから雨が強くなる。
通勤電車のロングシートに1時間半はマジで辛い。
出来れば次は500円払っても特急で行こう。
初夏、奥千本から青根が峯(858m)に登る計画を話し合う。


ちなみに…2001年11月の奥吉野行の写真。
紅葉も捨てがたいでしょ?