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2012/5/20 あんたの話を聞かせてくれないか?

DVDで映画『 KAMIKAZE TAXI (カミカゼタクシー)』を見終えた。
18年前に劇場公開された伝説の映画、見る者のはらわたにズシンと響く140分だった。
監督の原田真人はちょっと気難しい変わり者らしいが、僕の見た中で原田作品にはハズレはない。
なかでもこの『 KAMIKAZE TAXI 』はベストフィルムかもしれない。
『さらば映画の友よ インディアン・サマー』をもういちど見たくなった。


          


主人公のタクシー運転手 ペルーからの出稼ぎ日系人 寒竹一将は1957年生まれ、僕と同い歳だ。
凶暴なやくざの会長 阿仁丸(ミッキー・カーチス)がいまわの際に自分を殺した寒竹に言う。
「なあ、あんたの話を聞かせてくれないか?」
サックス奏者でもある阿仁丸は男色ではないのだが寒竹という男にぞっこんなのだ。
初めて会ったときも「ミュージックが聞こえてよ、演歌とかヘビメタじゃなくてよ、ミュージックだ」と遠い目をしたりする。
まもなく死ぬ男に寒竹はカタコトの日本語で言う。
「わたしはせんきゅひゃくごじゅうななねんにうまれました。しょわですと、ああ…?」
「もういいよ、昭和は」
「はい、そですか。わたしはとうきょうおりんぴくのとしににほんをでました。せんきゅひゃく……ろくじゅよねん。
 わたしのおとさんは…いしゃです。わたしのおとさんは…」
南米アンデスの笛 ケーナの哀しい音色が聞こえてくる。


不思議な雰囲気を持ったタクシードライバーを18年前、若き日の役所広司が演じている。
貧しい出稼ぎ労働者でありながら凶悪なやくざの脅しにも動じない肝のすわった男。
そして、寒竹は、恐るべき戦闘能力を持っていた。
柔和な微笑みの下に隠された過去、親しくなった誰もが問いかける。
「なあ、あんたの話を聞かせてくれないか?」


医師であった寒竹の一家がペルーに移民してからの壮絶な物語に日本人は震撼させられる。
垣根良介の長編小説『ワイルドソウル』を思い出した。


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脚本も原田真人だという。
敵役がこれまた僕の大嫌いなタイプの男に設定してあったのも感情移入しやすかったのかもしれない。
保守派の元代議士、特攻隊の生き残り(自称)、やくざを使って政治やカネを動かすエセ右翼、SM趣味の変態老人。
テレビに出れば、従軍慰安婦問題なんて存在しないとうそぶき、外国人労働者排斥の急先鋒となる。
殺意を覚えるほどにこの土門という男を演じた役者は素晴らしい。
内藤武敏というベテラン俳優。
誰かモデルとなる人物がいたのだろうな。
ATG映画全盛時代のテイストを宿した高橋和也や片岡礼子もいい。
インテリやくざの石田を演じた矢島健一もいい。
そしてミッキー・カーチス、前半の不気味さは出色だ。


「おとさんは、コンドルみたですよ。
 かみのかぜにのる、コンドルいたです。
 ほんもののカミカゼでした。」
ああ、アンデスのミュージックが聞こえてくるぜ。


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…日曜日のニュースデスク勤務。
甲子園の交流戦で釜田(楽天)がプロ初登板。
つい半年前、夏の選手権で投げたマウンドにプロとして上がった。
こういう瞬間を見るのは楽しくて嬉しい。
理由はわからないけど。
不運もあって3回降板、でも魅力満点のルーキーだった。
大相撲は37歳のベテランが報われた。
平幕同士の優勝決定戦となり、旭天鵬が涙の優勝。
聞けばモンゴル人関取の草分け、アニキ的な存在だという。
白鵬がパレードの旗手を買って出たそうな。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120520-00000126-nksports-spo
いい話です。


今日はイーグルス地元の仙台だけでなく釜田の地元金沢の系列局にも映像送り発生。
釜田は出身も小松だからバリバリの加賀生まれ加賀育ちなのだ。
他にもそこそこ仕事があって今日は時間の経つのが早かった。
明日は早起きせねば。