2011/5/27 “神の火”の代償

昨夜は、というか今朝は4時過ぎに寝た。
そもそも深夜だというのに大峰登山で撮ってきたビデオの編集を始めてしまったのがアウト。
まったく、困ったもんです。
山登りにビデオカメラなんか持っていくようになって明らかに負担増。
頼まれたわけじゃなし、好きでやってるので文句も言えない。


夜更かしすると体重は必ず増える。
夜食は何も口にしていないしお酒も飲んじゃいないのに1キロ増。
身体が防御体勢を敷いてエネルギーを消費しなくなるのだろうか。
ぐったりと疲れるのに体重は減らない。
ぐっすりと眠った時の方が減る。


雨で、それほど強くもなかったのだが、朝バイクを休止。
サボった身体に野菜を! 食卓にヘルシー朝食が登場する。
芋がゆと生春巻き。


…今月最後のニュースデスク当番。
交流戦はないけど阪神ナインの被災地訪問の素材を仙台から受ける作業あり。
(正確には受ける手配ですね)
3時前にサッカー日本代表に宇佐美が初選出、急きょリアクション取材に万博へ出動。
なんてやってると香川が福島の少年たちとサッカー教室なんてネタが飛び込む。
仕事はほぼ電話応対で済むので文庫本が進む。
読んでるのは佐藤友哉『デンデラ』、姥捨山に捨てられた老婆たちの話。
100歳のおばあに率いられた老婆集団が木槍だけを武器に恐ろしい羆と闘うのだ。
あり得ないシーンの連続だが、誰かが「すごいものを読んだ」との感想をアップしていた。
なるほど、確かにその通り、僕はいまスゴイものを読んでいるという実感有り。
かなりグロテスクだが…。

デンデラ (新潮文庫)

デンデラ (新潮文庫)


仙台からなかなか素材が届かないなあ。
結局、23時過ぎまでかかりました。
外は雨、fatfat氏が言うように梅雨入りして律儀に雨。


福島の小中学校の校庭で年間1ミリシーベルト以下を目指すと文科省発表。
当然の措置なのに抗議の声が大きくなるまで改めなかったのは何故かを考えてしまう。
これに付随して俳優の山本太郎がドラマ降板、所属事務所を辞めることになった。
石油利権というのはすごく分かりやすかったが原発マフィアの正体が今イチつかめない。
夕方のニュースで原発銀座である若狭湾の津波の歴史的検証をとりあげていた。
史料からは大津波が過去にあったことが読み取れる。
しかし、関電はその史料を信憑性がないと判断した。
正直、そういうことはどっちでもいいよと思う。
過去に一度もないようなことだって起こる可能性はあるのだ。
僕はもう原子力発電に関して事故対策うんぬんという視点で見ることが出来ない。
巨大地震に耐えようが、大津波対策をしようが、“神の火”の存在そのものを疑問視している。
その代償は回復不能なほど大きいのに、原発は不可避な選択だ、と誰かが世論を誘導する。
原発を止めれば、節電だ、計画停電だ、という脅し文句を僕は疑い、かつ嫌悪する。
我が家はエアコンはほとんど使わずに過ごしてきたがあえて反抗したいくらいだ。
次世代を生きる人たちに対して僕らは大きな失敗をおかしてしまった。
もういちど確認のためにコピペしておこう。


   繰り返しいうように、私は原子力テクノロジーに対しては何の遺恨もない。
   テクノロジーは価値中立的なものである。テクノロジーに良いも悪いもない。
   でも、愚鈍で邪悪な人間たちに原子力テクノロジーの操作を委ねることには反対する。
   そして、「愚鈍で邪悪な人間たち」というのは
   端的に「人間というもの」と言うのとほとんど同義なのである。
                     (内田樹の研究室 2011/5/8 より)