2014/4/19 ぜんぶ想像で。

Podcastで池井戸潤のインタビュー番組を聴いた。
かなり前の録音で直木賞作品「下町ロケット」についての話。
今年、文庫になってから読んだので記憶に新しい。
バブル期に三菱銀行に入って7年働き、3年ほど紆余曲折合したのち小説を書くようになった。
小説を書くとき、大事にしてるのはプロットより人物らしい。
最初に登場人物を設定する。
より具体的にイメージ出来るように週刊誌の写真などから集める。
主に東洋経済とかエコノミストの企業人が多いとのこと。
その写真を壁に貼ってキャラを造りあげていく。
「下町ロケット」で作者お気に入りの人物がいて、
銀行から出向している殿村と帝国重工の財前部長だそうな。
特に殿村は最初の印象とガラッと変わる。
トノサマバッタに似た中年男、誰をイメージしたのだろう?
僕のイメージでは佐村河内氏のゴーストやってた新垣さん。
そんなルックスだけど女性読者に人気があるらしい。
トノにランチ誘われたら断れない、なのだとか。


   

 

技術系の工場や企業が舞台になる小説を書いているので、
テクノロジーに詳しいと思われているがそうではないらしい。
「下町ロケット」のドラマ撮影現場で金属部品を見て、
これなんですか? と質問したら真空バルブだった。
読んだ人にはわかるが小説のキーとなる部品。
初めて見たらしい。
なるほど、小説書く人は凄い。
「サクリファイス」や「エデン」「キアズマ」など自転車レースの
小説を書く近藤史恵は、ころころと太った大阪のおばちゃん。
主人公はツール・ド・フランスに出場するような研ぎすまされた男たち。
もちろん選手経験はないし、ロードレースもほとんど見たことがないらしい。
「全部、想像で」だとのこと。
ある種、神業だと思う。
でも、そういう芸当が出来ないと小説や脚本は書けないですね。
僕には絶対無理です。