「入った!カズだ!おおおおおおおおお!スゴイ!」
嫁と声を揃えて叫んでしまいました。
直後のなつかしきカズダンス!
そう、カズ、踊るんだよ。
「踊るんだよ」羊男は言った。
「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。
おいらの言ってることはわかるかい?
踊るんだ。踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。
意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。
そんなこと考えだしたら足が停まる。
一度足が停まったら、もうおいらには何ともしてあげられなくなってしまう。
あんたの繋がりはもう何もなくなってしまう。永遠になくなってしまうんだよ。
だから足を停めちゃいけない。
どれだけ馬鹿馬鹿しく思えても、そんなこと気にしちゃいけない。
きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ。
そして固まってしまったものを少しずつでもいいからほぐしていくんだよ。
まだ手遅れになっていないものもあるはずだ。使えるものは全部使うんだよ。
ベストを尽くすんだよ。怖がることは何もない。あんたはたしかに疲れている。
疲れて、脅えている。誰にでもそういう時がある。
何もかもが間違っているように感じられるんだ。だから足が停まってしまう」
僕は目を上げて、また壁の上の影をしばらく見つめた。
「でも踊るしかないんだよ」と羊男は続けた。
「それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。
そうすればおいらもあんたのことを、手伝ってあげられるかもしれない。
だから踊るんだよ。音楽の続く限り」
(村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス(上)』182-183page )
いつだって胸を張って生きてきたカズに心から感動しました。
しばらく経ってから目頭に熱くなりが咽にこみあげてくるものが…!
カズのゴールに何を思ったか?
詳しくは帰宅後に書きますね。