2011/3/8 クレーン萌え

今日は7時台に起床、そして5キロ走った。
海辺の花壇に菜の花が咲く。
春の花には黄色のものが多いらしい。
黄色はあらゆる種類の虫をひきつけるのだと言う。


最近は周回コースではなく新マリーナ往復コースを走る。
距離はほとんど同じだがマリーナへの道は1キロほど芝生が続く。
膝や足首にやさしい。


ミズノのジョギングシューズがいよいよダメになってきた。
今履いているシューズは2008年3月に購入した。
なぜミズノか?
日記にこんなことを書いている。


  村上春樹「走ることについて語るときに…」にこんな箇所がある。


このメーカーのシューズには、妙な味付けがされていないぶん、
自然な信頼感がもてる。(略)
以前、ミズノのランニングシューズ販売担当者と話をする機会があって、
そのときに彼は「うちのシューズは地味なんで目立たないんです。
製品には自信があるんですが、なにしろ見た目の愛想がなくて」
とこぼしていたが、言いたいことはよくわかる。
新奇なギミックもないし、ファッション性にも乏しいし、派手な売り文句もない。
しかしそのソールは、確実に、実直に、ソリッドに路面を捉える。
                  (「走ることに…」127-128頁)


  選択の基準は「ファッション性や流行に走らず、運動することに真摯なこと」
  mizunoのジョギングシューズをタウンユースにしてる奴っていないもんなあ。
  ニューバランスも近年はファッション性の高いデザインを重視するようになってきた。
  長距離の学生達が履いているのは、8割以上がアシックスか、、あるいはミズノだった。
  ここは一つ、ミズノを買うか。
                        (2008年3月某日)


つまり…村上春樹の影響でした。
そして、3年近く履いて、おそらく2000キロ近く走った。
西宮、大阪、東京、松本、高松、京都、札幌…。
村上氏の言う通り質実剛健、実直に働いてくれた。
でも、ソールの外側が極端に減ってしまった。
アッパーは全くダメージがないのに。
もったいないことだけど、この減り具合で走り続けるのは難しい。
バーゲンで買っておいたニューバランスに選手交代してもらおう。
でも、次に買うならもう一度 質実剛健のMIZUNOだ。

 

走ったあとに体重を測る。
74.20キロ…!
3日間飲んでないので少しは減ってるかと思った。
「うーん、あんまり食べてないのになあ、飲んでも少しだし…。」と言うと、
ヒロが「ダメな患者に共通した言い訳」と一言。
病院で栄養指導してた管理栄養士、キツイお言葉です。
食べるなら毎日走ろ。
それで減らなかったら食事を減らそ。


jog&Podcast。
キラ☆キラのテーマは「記念品」でした。
眼鏡堂さんが北京五輪のメディアへ配られる記念品について話す。
僕が嬉しかったのは甥っ子がシドニー五輪のメディアキャップを気に入ってくれたこと。
小学生時代にボロボロになるまでかぶっていた。
その後、弟も同じキャップをかぶってたのではなかったか。
高校サッカーに出場した彼もこの春から大学生になる。


彼がかぶっているのがシドニー五輪に記念品です。@蒜山キャンプ場(岡山)
  

  

…大阪へ出て編集プロダクションで打ち合わせ。
電車に乗ってゴーグルをはずすと突然目がかゆくなる。
油断大敵、今日はしっかりガードしよう。


なぜか今日は大阪駅北の工事現場の前を2往復する。
最近、「工場萌え」とかいう趣味の人が増えたらしいが、
僕も赤煉瓦巨大建築とともに鉄製の巨大人工物にはそそられるものがある。
たとえば巨大な橋梁、巨大な塔、巨大なクレーン。
以前、この大阪駅の北に大きなクレーンが林立してるところを撮った。
去年9月の日記に「クレーンの集会」とキャプションをつけて貼り付けた。


現在、数は減ったがこんな魅力的なクレーン(?)がすっくと立っていた。


たまらない造形美。
精密な工業製品を思わせる美しい鋼鉄の質感。
操縦室まではエレベーターで上がるのだろうか。


また昔話になるが1989年にスコットランドのグラスゴーへ行った。
工業都市、港湾都市グラスゴーの象徴が巨大クレーンだった。
絵ハガキにもなるくらい有名なクレーン。


スペイン北部のビルバオは是非とも行きたい街。
世界遺産のビスカヤ橋がある。
吊されたゴンドラで車や人を運ぶ世界最古の運搬橋。
どうです、街の風景を支配する存在感、いいでしょ。

  
これに乗って渡ってみたい。

 

……『180°SOUTH(ワンエイティサウス)』という映画を観た。
場所はリーブル梅田。
ロビーに恐ろしく太った兄ちゃんが数人いた。
映画館では見ないタイプの人たちだったので意外だった。
もう一つのスクリーンではアニメ映画『マクロスFサヨナラノツバサ』を上映中。
みんなそっちに吸い込まれていった。


ドキュメンタリー映画『180°SOUTH 』@リーブル梅田。
こっちは逆に客はほとんどいないのでは?と思ったが15人ほどいた。


1960年代、アウトドアブランド「パタゴニア」の創業者イヴォン・シュイナードと、
「ザ・ノース・フェス」を創業したダグ・トンプキンスが二人で南米パタゴニアを旅した。
その記録映像に刺激されたアメリカ青年ジェフ・ジョンソンが伝説の旅をトレースする。
    
    


とにかく圧倒的な南米パタゴニアの風景に圧倒された。
海、岩、湖、氷河、そして空。
見渡す限り人間の気配がしない。
ジェフの旅も生半可な旅ではない。
ヨットのマストが折れてイースター島へ流れ着いたり、
登山ルートのない樹林帯で死ぬような思いをしたり、
さらに夢だったコルコバード山の頂上直下まで行くものの、
その地形のあまりの危険さに登頂を断念するなど、まさに“人生を変える旅”だ。
もちろん僕には出来そうもないハードな旅、だが僕はジェフの旅にあこがれる。
スクリーンでいっしょに体験出来て幸福な時間だった。


映画のラスト近くでイヴォン・シュイナードが言う。
『世の中のすべての問題は方向転換すれば解決する。
        欠陥のあるシステムを維持する必要はない』
硬直したシステムが僕らを包囲する2011年、シュイナードの言葉は福音のように響く。


ヨセミテの大岩壁 エル・キャピタンを登る映像が圧巻。
股間が戦りつが走る。いわゆる○○サム映像でした。


長い旅の末にジェフの眼前に姿を現したコルコバード山。


そういえば椎名誠に『パタゴニア』という紀行があった。
流行になった昭和軽薄体とはうって変わり、静かで哀しみのトーンで書かれた傑作だった。
かなり私小説的な色合いが濃かったような記憶がある。
野田知佑の『日本の川を下る』『北極海へ』とともに読み返してみたいと思う一冊だ。


スクリーンに映し出される自然の風景を見て思っていた。
もう、かつて行きたいと思い焦がれていたあの場所へ行く夢を諦めたのか、と。
もう、自分はあの場所へ行くことは出来ないのか、と。
いろいろと思いを巡らせてしまいました。


…21時過ぎに帰宅。
玄関に珍しく『ねむ』お出迎えが…!
こいつは眠りグマのスリーピー。
ヒロが別名『ねむ太郎』と命名したらそっちの名前で定着してしまった。
二人ともスリーピーと呼ばず『ねむ』と呼んでいる。



…録画しておいたNHK『Deep People』の「フォークボール編」を観る。
村田兆司、牛島和彦、佐々木主悦の3人が魔球について深く語る。
とにかく面白い。見入ってしまった。
村田さんの天衣無縫ぶり、牛島さんの緻密さ、佐々木さんのオレ様ぶり。
村田さんがブレイザーに球種を見破られた話、またそれを逆手にとった話。
牛島のフォークだけを待ち続けボックス内でステップしてサヨナラ本塁打にした門田との対決。
打った直後、ボールを見送る門田さんの“してやったり”の笑顔がたまらない。
上っ面だけのキレイ事ではない本当のトークを聞いた思い。
いやあ堪能した。こんな番組やりたい。