2011/3/3 いかなごの季節

そもそもこんな日常ダダ漏れ日記を公開しているくらいだから自己顕示欲がないわけではない。
時に自意識過剰になるのは当然至極、同じ理由で自己嫌悪の落とし穴にもハマりやすい。
自意識と、自分なんてもうどうにでもなれという怠け心が、綱引きをしてバランスを保っている。
日記はそのために必要なツールで、おかげで自暴自棄にもならず、案外たのしく生きてます。


寒い朝、走る気になれない。
「きょうはやめとこかな」
「えー? 天気いいのに」
怠け心を咎められるが結局ジョギングをサボる。 
ジョーではないが“あしたのために”を大事にしなければいけない。
ま、それも“あした”からね。


で、今日は僕のジョギングミュージックの特集。
『ロッキーのテーマ』ではないが聞けば走りたくなる曲というのがある。
もちろんiPodに常時収められている。
難点はペースが上がってしまうこと。
結果、距離が伸びない。


My 5 Best Tunes for Joging(ジョギングミュージック ベスト5)発表!


1位 佐野元春『ヤングブラッズ』

僕にとって佐野元春は新しい世代の音楽として認識している。
同時代ではなく、若い人たちの音楽、という感覚。
出会ったのが80年代の後半、僕はすでに30近かったせいだ。
でも、僕よりひとつ年上なんだと知ってちょっと驚いた。
この『ヤングブラッズ』のPVは当時すごくカッコイイと思った。
走りたくなるでしょ?ペースが上がりそうでしょ?


佐野元春、あとこの2曲もジョギングに向いている。
『WILD HEART 冒険者たち』このPVも鳥肌もの。
http://www.youtube.com/watch?v=LJLHJV6FZPs
ご存知『SOMEDAY』あの時代の空気感満載のライブフィルム
http://www.youtube.com/watch?v=mZxFAFn-wOw

 

2位 吉田拓郎『男達の詩』

硬派です。
♪ きみは嵐をのりこえたか そして 心を 満たされたか
  星を数える旅が続く 男達は黙って進む
この歌を聞きながら走ると。たぶん顔が恐くなってる。


3位 ビリー・ジョエル『MY LIFE 』
70年代後半だったか、ニューヨークをジョギングするウォークマンのCMがあった。
そのCMで使われていた曲、走る歌として僕の中で定着した。
無闇に速度が上げる音楽ではない。マイペースで走れます。

 

 

4位 ジム・クロウチ『I've got a name 』

人生を振り返りながら走るのに向いている。
これもペース走用の曲。

 

5位 ニール・ダイヤモンド『SWEET CAROLINE 』

フェンウェイパーク8回裏!
徐々にじわじわと気分が高揚する。
ラストスパートにはうってつけかも知れない。
2007年、かすみがうらマラソン初完走した時に35キロ地点で流れてきた。
でも、もうスパートする力は残ってなかった。


…今日はニュースデスク勤務。
電話応対以外にニュース業務は実質何もしていない。
明日がプロ野球開幕特番の収録なので前日打ち合わせが唯一の仕事。
オリックスの高知キャンプが打ち上げ。
(周囲からはまだキャンプやっとったんか?の声多し)
当然のようにニュース項目は立たず。
高知出張から帰ってきたA木が釜ゆでしらすを買ってくる。
打ち合わせ終わりで缶ビール。


帰宅するとしょうゆの煮た匂いがする。
ヒロがいかなごの釘煮を炊いていた。
兵庫県南部春の訪れを告げる味。

深夜だったけど冷蔵庫からとっておきの古酒を出して封を開ける。
山形米沢産の『東光 純米15年古酒』、A部氏からのお土産。
純米酒といかなご。
東北の豊穣なる米と水、瀬戸内の春の使者との合体。
日本が豊かな土地であることを実感する。
それにしても高知のしらす&瀬戸内のいかなごを連食(?)す。
朝は鮭の焼いたのを食べた。
今日は推定500匹以上の魚を食べた。


…京大のカンニング事件で予備校生(19)が逮捕された。
カンニングで逮捕? 不合格にすりゃいいじゃないかと思うのはおかしいのか。
そもそも大学が警察沙汰にしたことに違和感があった。


僕のTwitter のタイムラインにも山ほど感想ツイートが並ぶ。
有名な人も、有名でない人も、僕の知ってる人も、知らない人も…。
順不同で並べてみる。


  これから家族親戚友人高校にマスコミの大量メディアスクラムが行われ、
  予備校生君の洗いざらいが集中豪雨的に報道されるかと思うと鬱になる。


  カンニング事件についての全国紙の社説は見事に横並び。/大新聞は批判しかしないが
  「ヤフー知恵袋」が体現しているのは実はネットの優位性じゃないのか


  京大の入試がネット投稿された事件。朝日は<警察当局が…受験生の逮捕に踏み切ったのは、
  「社会的な影響」(京都府警幹部)を考慮してのことだ>と。
  要するに、マスコミが大騒ぎをしたから、ということではないのかにゃ


  これが前例となり、今後、大学入試での不正行為は一律「偽計業務妨害罪」で告発→逮捕って
  いう流れになるんでしょうか?大学の管理主義もここに極まれりw。別に入り口を気にするよりは、
  卒業資格を厳しくする、大学教育を充実する方向に物事を考えて欲しいと思います


  今朝、スッキリでテリー伊藤さんが、大学が警察をすぐに頼ったことに違和感を感じるとおっしゃってました。
  まともなコメントをはじめてTVで聞いた気がしました。


  大学のメンツのために、今にも未来の希望が断たれそうな若者(弱者)がいて、
  親も含めてこぞって袋だたきにしようとしてる今の日本の風潮。
  問題はそんな末端じゃないだろうに。


  京大がただちに被害届けを取り下げれば、逮捕されなくて済む。
  彼に必要なのは警察ではなく、心療内科のカウンセリングだ! 京大、早くしろ! 
  電子メールでもツイッターでもいい!


  茂木健一郎さんも激しくメディアと大学を糾弾してますね。
  逮捕まですることか。京大ってこんなことで簡単に警察に訴える大学だったっけ?
  誰が京大を支配しているのか。


  カンニングは果して犯罪なのか? 殺人級の扱い受けてるけど、なんかおかしい…
  カンニングが起きてしまうような入試がおかしいと思う。
  小論文とかならカンニングしようがない気がする…
  まぁ、採点者はイヤがるし、採点基準で揉めるだろうけど…


  ネットの功罪とか言ってる人がいるけど、これが消しゴムの紙を剥いで書いた
  カンニングだったら、「消しゴムの功罪」とかって言うのだろうか?
  もっと他にニュースあるんじゃね。


  カンニングの問題って、そんなにおおごとなのかね?
  不正をした個人の問題+大学側の監督体制の問題であり、ネットのせいじゃないよね?
  入学がゴールになってるから、大騒ぎするんでしょうか?


  カンニングについてコメントを求められたのですが、昔こんなことを書いたということを
  ツイートしてくださった方いましたので、それをお読みください。
  http://blog.tatsuru.com/2008/11/16_0928.php


  京都大学にあこがれ、志願をしてきた学生が、心の弱さから「カンニング」をしてしまった。
  その時に大学側がとるべき対応は、入試で不合格にすると同時に、
  前途ある若者が未来に向き合えるような配慮をすることではないか。「
  偽計業務妨害罪」という罪名の下に「警察に突き出す」ことが、大学人のやるべきことだとは私は思わない。


  カンニング事件。マスコミが大騒ぎし、それを理由に「社会的反響が」と警察が逮捕。
  その流れは私には正義とはとうてい思えない。/「社会的反響が大きかった」と京都府警が逮捕の理由説明   
  http://t.co/LC8cYEl


  たぶんメディアの中の人も含めて皆が異常だと思ってるのに、誰もとめられない。
  これこそが空気の圧力であり、日本型ファシズム。
  /京大カンニング事件と暴走する正義: 王様の耳そうじ http://t.co/ARz3c5H


  なぜネットでは「ああそういう手口もあるよね」で終わってるカンニング事件が、
  マスコミでは大騒ぎになっているのかがこの記事で理解できた気がする。
  /大学入試カンニング事件で露呈したマスコミのお粗末なITリテラシーhttp://t.co/oMDzrnL


  石原慎太郎知事「日本で初めて入学試験で携帯使いカンニングをやったというのは見上げたもんなんじゃない。
  学校の方がバカ。」 http://fc2.in/ezkG0y 【一期一会】

 

Twitterを始めてほやほやの神足裕司さんが面白い。


  書こうとしたことが、茂木健一郎と同じだとわかって悩んでいる。


  いかん。佐々木俊尚とも同じだ。


たまたま両者ともに僕もフォローしてるので笑った。

 

僕もこのタイムラインにある意見と基本的には同じです。
フォローしている人がほぼ同じような感想を持ってるのに驚きました。
少なくとも、これは入試制度の根幹を脅かす重大な犯罪だ、という意見は無かった。
僕は偏った一部の人ばかりを好んでフォローしてるんだろうか。
上記のツイートは新聞の論調やテレビの“前代未聞の犯罪”狂詩曲とは全く違う見方。
特に新聞は前代未聞のネット犯罪という文脈でとらえたいのだろうなと思う。
古いメディアは新しいメディアが嫌いみたいだから。
これはハイテクでもなんでもなく日常になってるって50代の僕でも思う。
世論調査をすごく重視するくせに世間とはすごくかい離している。
読売新聞の記事が全部ナベツネみたい人が書いてるってわけじゃないのに…。
テレビはiPhoneなどを使って大げさな実証を繰り返す。
これにも辟易した。
その裏に組織的なネット犯罪集団があるかのような報道もあったが
今回の手口はすぐに足のつく単純で幼稚なカンニングだった。
入試の当日、入試の時刻にYahoo知恵袋にアップしてしまうのだから。
普通に考えたらヤバイと危機管理するだろう。
これって新聞なら3面の小さな記事で終わるべきものだったのでは、と思う。
もちろん大学側が警察に訴えたというのにも問題はあるが、
メディアの過剰反応が逮捕の大きな原因になったのは間違いない。
逃走の末、自殺ってのも考えられたから…。
暴論を承知でいえば、やってるやつは見つからないように巧妙にやってるって、と思う。


それよりも気になったのは上記に並べたツイートには新聞社やテレビ局の人もいる。
(僕だって批判ばっかりしてるけど関係者であることには違いない)
個人ひとりひとりはマスメディアとは違うのだ。
上から目線や過剰反応や時代錯誤でもない冷静で寛容でまっとうな見解を持っている。
平川克美さんがNスペ「日本人はなせ戦争へと向かったのか」を見てつぶやいていた。


  大変するどい角度で戦前の指導者たちの心理にせまっていた。
  誰もが、勝てないと判っていたが、勝たねばならないという「希望」が判断を誤らせる。
  そして誰も「負けるかもしれない」と言えない空気が醸成されていく。


長い不況、周辺環境の変化、方向転換できないマスメディア企業に醸成されている淀み。
その得体の知れない空気は僕もひしひしと感じる。
誰もトップに逆らわなくなった。
その度合いは常軌を逸して滑稽にさえ思う。
昔とは違う、こんな時節だから…明らかに不合理なことにも盲従する。
佐々木俊尚『2011年、新聞、テレビ消滅』に書いてあったことを思い出す。


  とりあえずつぶれそうになりながら、給料は安くなったけれども
  新聞社もテレビ局も出版社も生き残り、命脈を保っていく。
  でも、ビジネスに魅力がないから良い人材は入ってこず、
  グローバル市場に出て行くなんてとんでもなく、どんどん劣化して、
  国民からそっぽを向かれていく。
  そうやって化石のようにメディアが劣化していったとき、
  その先にはいったい何が待ち受けているのだろう?
  私にはマスメディアの崩壊なんかよりも、そっちの化石化の方が
  ずっと恐ろしい未来に思える。
  「一回、つぶれた方がい良いんじゃないの?」
  業界人はいったん野に放たれて、国民みんなで、
  「マスメディアって必要なの?」ってことを考え直すのだ。
  そこでやっぱりマスメディアは必要だ、
  そうしなければ情報がうまく回らないんだという合意でもできれば、
  きっと先見の明があるだれかが新しいマスメディアを立ち上げて、
  そこにまた優秀な人材が集まっていくだろう。
                       (230-231頁)