朝、雲間から薄日が差している。
晴れていても亜熱帯の朝はこんな感じなのだったと思い出す。
前々日の睡眠不足と昨日歩き回ったのとでぐったりと疲れている。
でも、新しい月だ。
身体にムチ打って走ろうと決意。
市街地から空港へ行く途中に奥武山公園がある。
新しいセルラースタジアムやサッカーや陸上競技場もある複合施設だ。
県大会の決勝で興南が甲子園を決めたのもここだったはずだ。
僕が最初に沖縄に来た旅で泊まった那覇国際ユースホステルは今もある。
戦前、奥武山は漫湖という湖に浮かぶ島だった。
アメリカ占領時代に当時最新鋭の重機であっというまに埋め立てられたという。
公園に周回のジョギングコースがある。
固めのラバーマットが敷き詰められたて具合がいい。
そのまま漫湖の畔に続く道を往復40分ほど走る。
途中、野生のネコとすれ違う。
お、精悍な顔してる!
振り向くとネコも立ち止まって振り返った。
ん? 見慣れない奴だな、どっから来た?
ネコは僕の返事にはあまり興味がなさそうに後ろ足で首筋をかいた。
ホテルへ帰る途中でカワイイ看板を見つけた。
ルパシカを着てバラライカを弾くゴルビー書記長。
那覇には珍しいロシア料理店。
この店が入っている建物はコンクリートブロック造りのいかにもの戦後沖縄風だった。
…午後から一人でホエールウォッチングに参加する。
座間味や慶良間の沖は冬の間ザトウクジラのエサ場になっている。
かの島に何度も取材で訪れているA部氏からホエールウォッチングの話を聞いていた。
WEB割で3500円、鯨が見られなかったら返金、ではなく再乗船のチケットがもらえる。
野生動物だからリスクは仕方ないですね。
聞けばここ5日間は会えなかったらしい。(うねりが強くて出港出来なかったようです)
でも、今日は久しぶりの好天で午前中に一頭発見したそうな。
三重城(みーぐすく)の待合所に集合、総勢20名くらいのツアー。
台湾からの家族と香港の若いカップルも参加です。
http://www.cerulean-blue.co.jp/plan/sightseeing/post_20/
出航から20分ほどで他のツアーが出してる船が見えた。
携帯電話で連絡をとり合う。
単独のザトウクジラ発見!
右の写真、他のツアー船の目の前を泳いでいる。
潮を吹く、背中を見せる、スプラッシュ。
この連続が3回ほど続く。
船内は歓声に包まれる。
みんなカメラを構えるが一瞬を捕らえるのは至難の業、しかも海は外海、大きくうねっている。
目に焼き付ける、そう決めて肉眼で見ることに集中した方がいい。
30メートルほど先にスプラッシュが上がる。
船は全速力で近づく。
この写真、手前にピントが…。
15メートルほどの至近距離で背中が見えた。
直後、大きな尾が見えたがシャッターチャンスを逃す。
潜水したのだ。
スタッフの話によると潜水してしまうと20分以上あがって来ないらしい。
でも、ここはまだ那覇近海で水深が50メートルほどしかないから5分ほどで出てくると予想。
どこに出てくるかはクジラ次第。
想像をめぐらす。
この瞬間、僕らが浮かんでいる海の真下で体長15メートルの動物が泳いでいる。
なんか、いいなあ、しばらく潜ってていいよ。
前方の海面が平らになる。
前です! とスタッフが叫ぶ。
おお、頭が見えた。
スプラッシュ!
そんなこんなの連続で1時間があっという間に過ぎる。
尾っぽが見えたのが4回、これは珍しいのだと言う。
見渡すとウォッチングの船が自分たちを含め4隻も一頭のクジラを囲んでいる。
ストレス…かもね。
1時間見たら戻るのが約束。
でも、正直もう少しだけ見てたかった。
…那覇、辻の旧Aサイン食堂『ジョージレストラン』でタコスとオリオン中瓶。
1956年コザから那覇に移転、この店は僕と同じ年齢です。
http://www.geocities.jp/georgerestaurant/History/index.html