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2009/5/12 ブリキのふえとおやゆびピアノ@wildbunch

足下に目覚まし時計を置いた。
7時過ぎに上体を起こしてベルを止める。
そのまま上体を倒して眠ろうとする誘惑を克服し立ち上がる。
テレビの前のソファに誰も寝ていない、(当たり前だ)
そこに横たわる。
誘惑に負ける。
立ち上がり打者一巡は乗り切ったが2巡目で打たれた。
闘争は続く。


…ふとしたことから昔聞いたフォークソングを思い出した。
タイトルは『ノブはボクサー』、歌っているのは瀬戸口修。
1976年にシングル盤が発売されていて僕はすぐに買った。
大学1年か2年の頃だと思う。
そのシングル盤は今はもう手元にない。
どこかへ行ってしまった。
無性に懐かしい。
とてもいい曲だった。
今でも出だしが歌える。


 よろこびと かなしみを いつも 背負って生きる人間の
 ドラマを感じさせる リングに ノブは立つ


なんで突然思い出したのか?
おそらく、藤島大『キャンバスの匂い』(ボクシングコラム集)を読んだせいだ。


…午後から街に出る。
今日は半袖でも暑いくらい。
季節は次なるフェイズに入ったようだ。
昨日、自転車で行ったヨットハーバー、緑地にはクローバーの花が咲き誇っていた。
駅までの道、家々の垣根に白い花が咲く。
いい匂いがするね、ちょっと強烈だけど、とヒロに聞くと、ジャスミンの花だと言う。


『カルダモン』というカレー屋に行った。
天五と天六の中間にある店で、前を通るたびにスパイスと玉葱を炒めた匂いがする。
いつか食べてみたいと思っていた。
ふむ、悪くはないけど、まあ他でも食べられそうなカレー。
香りほどスパイスが効いてはいない。


『タイムリー』でコーヒー豆を買う。
ちょっと蒸すので天六温泉につかる。
番台が若い女の子で、ちょっとヤンキーっぽいが美人。
緊張するトシでもないのでどうってことないが、若者はどーなんだろ?
さっぱりして古本&カフェ『ワイルドバンチ』へ行く。

 

ライブのタイトルは『ブリキのふえとおやゆびピアノ』@wildbunch
ワイルドバンチのライブ、3月はフリージャズだった。
今回は随分と客層が違う。
おばさまが中心、男は少ない。
文化教室か地域サークルのような雰囲気。
前回は紫煙が立ちこめた店だったが誰も煙草を吸っていない。
紅茶にスイーツなんて食べてる。
おばさまの集まるテーブルは避けて最前列のスツールに陣取る。
特等席。
ハイボールとコロッケサンド(100円)。


金子鉄心という笛吹きと“ひきたま”というカリンバ奏者。
どちらも関西出身、関西在住。
金子さんはセルジオが劇団時代に親交があると言う。
「おかげ様ブラザース」のサックス奏者でもある。
(きんた・ミーノ! 懐かしい)
今回はブリキの笛。
アイルランドのティン・ウィッスルの演奏です。
ティン・ウィッスルは別名ペニー・ウィッスルとも言う。
シドニー五輪の下見の時、ロックス地区にある古いアイリッシュパブで買った。
日本円にして500円くらいだったのではないだろうか。
ペニー・ウィッスルは1ペニーで買えるくらい安価な笛だという説あり。


映画「タイタニック」や「フィオナの海」のテーマ曲、
最近では「西の魔女が死んだ」の挿入歌にも使われている。
チーフタンズなど数々のアイリッシュ音楽でも聞かないアルバムはない。
梅津和時さんも先日のライブ@磔磔で何曲か吹いていた。
高く突き抜けるような音色に哀愁がこもって独特の雰囲気を生み出す。
今回、この笛の演奏が生で聴けるのが楽しみだった。

笛吹きのおじさん、という感じの金子鉄心さん。
10本くらいの笛を並べてアイリッシュ音楽の解説付きで演奏してくれる。
ちょっとしたティン・ウィッスル教室みたい。
軽快なダンス音楽のジグ、リール、ポルカ、ホーンパイプ、
そしてクラシックでいうアリアにあたるエアー。
有名な「ダニーボーイ」はロンドンデリーのエアーだ。
そんな説明つきで演奏を聴く至福の時間。


カリンバの演奏付きで吹いたのは邦題『春の日は花と輝く』という曲。
アイルランドを代表する詩人トマス・ムーアの作。
原題は『Believe me, if all those endearing young charms』
これが最高でした。
これ演奏したい。
ティン・ウィッスルを習おう。


おもちゃでなく本物のティン・ウィッスルを買う。
アイルランド ウォルトン社製。
ブリキではなく真鍮で出来ている。
1200円也。
キーはCでなくD。
D管と言う。
アイリッシュ音楽の楽器はDがキーになったものが主流らしい。
ドレミファでなくレミファソ。
もちろんC管もEフラット管もあるにはある。
僕はギターとペニー・ウィッスルを持っている。
自分の楽器を持つことは嬉しい。


ひきたま、という奇妙な名前の女性です。
アフリカのカリンバという楽器の奏者。
シンガー&ソングライター、カリンバの弾き語り。
この楽器は20センチ四方の箱状なのでゲームしながら歌っている感じになる。
音色は水琴窟みたいで、ガムラン音楽に同じような音があったような。


40代半ばだろうか、それとも僕と同年代だろうか。
若い頃は美人だったろうなと思う。
学生時代にはモテただろうなと思う。
誰かに似てるな、とずーと考えていた。
昔、「MR.サマータイム」という曲でヒットしたサーカスの女性に似ている。

 

…帰宅後、NHKの清志郎特番を見る。
若き日のライブ映像、これまた若い30代前半の梅津さんがサックスを吹きまくる。
総立ちする観客の風貌が時代を感じさせる。