2012/5/9 マシュケナダ !

「マシュ・ケ・ナダ(Mas que nada)」はブラジルのスラングで
「おい、どうしたんだい」「やなこった」と言う意味。
だからといって今日が、「やなこった」な一日だったぜ、というわけではない。
長谷川きよしのライブで「マシュ・ケ・ナダ」を聴いて
仙道さおりのパーカッションソロが鳥肌ものだったという話。


二条木屋町にあるバー「K6」で飲む。
京都滞在中の眼鏡堂氏が東京でぜひ行くべしと勧められた店。
京都のバーテンダーの学校のような名門バーで居心地が良い。
これからの季節、まだ日の残る夕暮れどきの窓際は特等席だ。
ちょうど鴎外の小説「高瀬舟」の舞台が見える。
でも、独りで坐るには気恥ずかしい。
この地では19年営業しているらしい。
セルジオ劇団が2つ隣の西村ビルに会った頃にはまだ無かったのか。
まあ、あったとしても二十代で行く店じゃない。


階下には午前中からやっているウイスキー(主にカスク)専門店&バーがある。
「K6」が開く前、この店で飲んだアイレイモルトのハイボールは旨かった。
確かブルイックラディックのカスク、いわゆる辛口のスッキリ系の究極。
この店も「K6」もつまみが充実していて燻製が多種そろっている。
鯖(英語でMackerel)のスモークが抜群に旨い。
あまり旨いので「K6」でも同じものを注文してしまった。
長谷川きよしのライブ前にバー2軒をはしごする。
眼鏡堂氏に映画『ドライブ』や安田美沙子の話を聞き美味しいお酒を飲む楽しい時間。
BARカスク〜BAR K6 〜ラグ(ライブ)〜壱、が今夜のラインナップ。
ちょっと贅沢をしてしまったが満足。


…7時半開演、長谷川きよしライブ@京都RAGです。
ステージ正面を3月の時点でエリア予約しておいたので特等席を確保。
ほぼ満席、ちょっとオシャレした40代から60代の夫婦づれが目立つ。
ここでのライブは2月以来、そのときのレポートはこちら。
http://d.hatena.ne.jp/shioshiohida/20120211/1328923533


前回は季節柄もあってシャンソン中心だったような。
今回はパーカッションの仙道さおりが加わりラテン色の濃いセットリストでした。
前回は聴けなかった「灰色の瞳」や「黒の舟歌」もパーカションとのデュオで聞けた。
もちろん「愛の讃歌」「別れのサンバ」も、僕のお気に入りの「歩きつづけて」も。


今回の聞きどころはパーカッションの仙道さおりだった。
去年は3月の長谷川きよしコンサート、

5月のジャズユニットのライブで彼女の演奏は二度聴いた。
眼鏡堂氏は今回が初めてだったが圧倒された様子だった。
ルックスはNHKの“うたのおねえさん”なのだ。
だが、カホンやシンバルセットから叩き出される音は

すこーんと抜けていて圧巻、とにかくいいのだ。
「マシュ・ケ・ナダ」のソロは鳥肌もの。
この曲は彼女のパーカッションソロのために選曲されたかのようだ。
パーカッションの演奏に関して僕には表現する言葉がない。


この「別れのサンバ」は今日ライブで聴いたものと同じ二人のデュオ。
2分過ぎから彼女のソロがあります。
    <iframe width="560" height="350" src="http://www.youtube.com/embed/2--n2X19vgQ" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>


仙道さおりの演奏に目を奪われる。
彼女は身体の中に4つ以上のメトロノームを持っている。
二本の手、二本の足がそれぞれにリズムを刻むのだ。


ウエーブドラムのデモ演奏を見ているだけでも楽しい。
http://www.youtube.com/watch?v=_6trhU1D3pM

 

今回はパーカッションに目がいってしまい長谷川きよしさんの歌の印象がうすい。
7月には同じラグでソロライブがあるので次はきよしだけを堪能させてもらおう。
ちなみに長谷川きよしさんは京都在住、ラグまで歩いてきたらしい。
その京都暮らしの様子が12日(土)のSONGS で放送されるとか。
http://www.nhk.or.jp/songs/program.html