2011/4/27 南座から八坂界隈


予報は朝から終日雨だったのに、あれ? 晴れてるじゃん。
早朝ツイートで「過去100年以内に発生した世界20の大規模地震」という記事を知る。
http://karapaia.livedoor.biz/archives/51999965.html
地球は常にどこかで揺れ続けていることがわかる。
動かざること山の如し、はある意味で願望なのかも。
阪神大震災の高速道路倒壊の写真、ゴジラでもこの所業が出来るだろうか。
直下型の破壊力に今さらながら圧倒される。
関東大震災の死者14万人というのは凄い。(主に火災)
中都市をまるごと消し去るような中国やハイチ、インドネシアでの

犠牲者の数にも言葉を失う。
火災や津波などの二次災害が犠牲者の数を加速度的に増やした。
インフラや社会の互助システムが整備されていない国では人為的な災害も拡大する。
でも、同じ100年間に起こった戦争に比べれば…とも思う。
戦争は人間が仕掛けたもので、人間によって止めることも出来たはずだった。


晴れてるのに走らない。
ヒロが自家製のゴマ豆腐を作った。
材料は、ねりゴマと葛(くず)と牛乳。
ゴマ豆腐って豆腐と名がつくが大豆は使っていなかったんだ。


午後イチで京都へ行く。
今にも雨が降りそう。
ヒロが買った昼間割引チケットの使用期限が迫っているので今日はJR新快速で行く。
久々の京都駅、京都タワーが雨雲に突き刺さるように屹立している。
京阪七条駅まで歩く途中に本降りになってきた。
しかも、蒸し暑いぞ。
京阪の駅名がいつのまにか変わっている。
五条は「清水五条(きよみずごじょう)」、四条は「祇園四条」
観光客にはこの方がわかりやすいのだろうけど駅名は短い方がカッコイイと思う。
祇園四条駅に2時過ぎに到着。


歌舞伎鑑賞教室@京都南座
もう19年目を迎えるらしい南座恒例のイベント。
観客席のおよそ半分は女子高生で埋まっている。
自由席(3000円)なので好きな席を選べるのが嬉しい。
最前列上手の端っこ、あるいは舞台正面の13列目あたりが空いている。
迷うが両隣が空いている舞台正面を選ぶ。
  
 
最初にお江戸日本橋の背景で「角兵衛獅子」を踊る。
続いて桂九雀がすっぽんからせり上がり、歌舞伎教室が始まる。
女子高生は修学旅行生ではなく大阪の高校、授業の一環であるらしい。
彼女たちのリアクションがビビッドで楽しい。
客の一人が歌舞伎の登場人物になるというアトラクションがある。
「野崎参り」のお染、若い女性限定で九雀が募集すると、

女子高生が競って手を挙げる。
先月見た『愛と青春の宝塚』でも幕開けでいきなり手拍子、

エンディングは総立ちだった。
物怖じしない関西のノリにはいつもながら圧倒される。
しばらく九雀が解説でつなぐと花道から素人お染が登場、拍手喝采で花道を歩く。
普通の女子高生だったが(失礼ながら)馬子にも衣装、カワイイお染だった。
今回のテーマは南座の舞台装置。
「廻り舞台」と大小11の「せり」の説明がある。
締めには南座の全ての「せり」と「廻り舞台」を同時に動かしてくれる。
これはなかなか壮観、滅多に見られるものではない。
幕間を挟んで黙阿弥作『釣女(つりおんな)』を見る。
実は『釣女』は先月尼崎で文楽で見た。
西宮えびす神社が舞台のユーモラスな狂言だ。
主役の太郎冠者には去年11月に平成中村座で助平な番頭を怪演した片岡亀蔵。
この人は何度見ても生瀬勝久にしか見えない。
女形の片岡りき弥の上品なお姫様が美しい。
先斗町の『我留慕』のマスターを思い出してしまう。
醜女を演じた上村吉弥も上手いなあ。
安価で、しかもゆったりと南座で歌舞伎が見られて幸せでした。


南座の歴史を知る。
歌舞伎小屋発祥のころには京都に七つの芝居小屋があった。
最後に北座と南座が残り、明治26年に北座も廃座になったという。
http://www.shochiku.co.jp/play/minamiza/gekijyo/history.html


『角兵衛獅子』の背景に呉服問屋の「越後屋」が描かれていた。
九雀の説明によると「越後屋」の家紋は井桁に三の文字。
その数字の「三」と越後の「越」をとって三越が日本橋に生まれたとのこと。
三菱の起源は岩崎弥太郎だが三越の起源は「越後屋」だったのか。


…幕が引けて4時半過ぎ、
京風中華『盛京亭』でビールの小瓶でもと思ったが閉まっていた。
祇園清水まで歩いて『ひさご』で親子丼の遅い昼食。
前回食べたのも4月、梅津さんのライブを聞きに来た時だった。
2年ぶりのひさごの親子丼、やっぱり美味かったです。


祇園から八坂、清水あたりも風情がある。
円山公園は花の季節から新緑へ、霧がたなびく東山も幽玄の美。
石畳を歩けば古い洋風建築のホテルや五重塔が目に映る。
鴨川べりに小手毬の白い花が雨に濡れていた。
季節のうつろい、来るたびに京都の奥深さを再発見させられる。


円山公園に長楽館というレトロな洋風建築のホテルがある。
http://www.chourakukan.co.jp/
一泊4万円くらいするらしい。
泊ろうとは思わないがインテリアを見てみたい。
ジャケットくらいは来て行かないと入りづらいな。