2011/2/16 勝鬨橋の酒宴

江戸は快晴、隅田川ぞいを走る。
清洲橋〜永代橋〜佃島のコースを約1時間のジョギング。
スカイツリーの身長があまり変わってないような気がする。
成長期は終わったのかな。
今日走ったのはこういうとこ(隅田川大橋からの写真)です。


…桑田佳祐のニューアルバム『MUSICMAN』が出た。
久々に買おうと思う。
大晦日の紅白で歌った『それ行けベイビー!』が入っている。
あの歌は2011年のテーマソングにしたいと思っている。
その動画はこちら http://www.dailymotion.com/video/xgcvud_yyyy-yy_music

MUSICMAN(通常盤)

MUSICMAN(通常盤)


…予定していた渋谷でのランチ会食がキャンセル。
夜まで暇になってしまう。
神保町でカレー、のち岩波ホールで『クレアモントホテル』を見るAプラン。
築地で親子丼、のち東劇で『わが心の歌舞伎座』を見るBプラン。
数分考えてBプランに決定。

 


築地場外の『鳥藤』で親子丼、美味し。
http://www.toritoh.com/
ここは11時まで朝食メニューがある。
ご飯と鶏スープと冷奴で300円、付け合わせは照り焼き、唐揚げ、チキンカツなどから選ぶ。


…『わが心の歌舞伎座』@東劇
東劇は大きなハコ、大阪で言えば今はなき北野劇場のような感じ。
客層はおばさま系と老夫婦が中心。
3時間近くある大作、料金は2000円と高めの設定。


まだまだ歌舞伎ビギナー。
こうしてじっくりと大スクリーンで役者のインタビューと名場面が見られるのは嬉しい。
若手は一人も出てこない。
歌舞伎界の重鎮ばかり13人、一番若いので勘三郎。


ロビーでの稽古、楽屋の様子、裏方の大道具や背景の絵師などの映像が新鮮。
じんと来たのは播磨屋、吉右衛門の「一谷ふたば軍記」の熊谷直実、
松島屋 仁左衛門の「菅原伝授手習鑑」道明寺の菅原道真、
意外にも「野田版 鼠小僧』の中村屋 勘三郎。
勘三郎の涙ながらに語る劇場でのエピソードにも泣かされる。
京言葉でインタビューにこたえる仁左衛門、やわらかい物腰と男ぷりにも魅了される。
インタビューは無かったが猿之助の『義経千本桜』を初めて見た。
歌舞伎界の異端児のエンターティナーぶりに鳥肌が立つ。
ナレーションは倍賞智恵子さん。
音楽も泣かせる。


映画館から出るとすぐそばに歌舞伎座の跡がある。
スクリーンで見たばかりの夢の跡がビル街の大きな空白となっていた。
東劇でこの映画を見た人は自然とここに足が向くのではないか。
でも、今さらながらに思う。
昭和26年に出来た建築物をわずか60年で立て直す必要があったのか。
もしかしたら膨張都市トーキョーゆえの理由があったのか。
南座の現存の建物は昭和4年に開場したもので80年以上経っている。
近いうちにスクラップ&ビルドする計画があるのだろうか。
勉強不足ですみません。


…夜は勝どき橋の居酒屋『やまに』で飲む。
太田和彦さんの本「居酒屋味酒覽」に載っていた店。
月島にある『岸田屋』『味泉』とともに行きたかった名居酒屋です。
ちなみに『味泉』には2度行った。
煮穴子の炙りは絶品でした。
『岸田屋』は何度も前を通り過ぎたがいまだ入れず。
ま、並ぶつもりで行けばいいのだが…。


ご一緒したのは丼食太さんと三十路さん。
眼鏡堂さんを通じて知り合ったブログ仲間です。
会うのは3度目なのに日々の行動はおおまかに把握している不思議な関係です。
どちらかと言えば私生活ダダ漏らし系日記の僕のことは詳細に知られてて、
二人についてはホントのとこはよく知らないというのが事実ですが…。
当ブログとリンクしていただいているお二人のブログ。
あくまで私見ですがその紹介を少々。

 

「新・ぽっちゃりスポーツ天国」 http://blog.livedoor.jp/keitacsr-new/
  
丼食太さんは眼鏡堂氏の勤めていた会社の先輩で40代半ば。
ブログを知ったきっかけは眼鏡堂さんからの紹介。
サイモン&ガーファンクルの記事を紹介してもらったことが最初でした。
http://blog.livedoor.jp/keitacsr/archives/1126954.html
魅力的なライブリポートにその段階でチケット入手可能な札幌まで追いかけようかと思った。
以来、定期的に巡回するようになる。
ぽっちゃり道というカテゴリーを中心に読んでいたが去年はじめに『龍馬伝』の記事にハマる。
おかげで生涯初めての大河ドラマコンプリートを達成する。
(実は未完、最終回だけ見ていない。ぷよねこ家では龍馬いまだ死なず。)
オリオンズ時代からの千葉ロッテマリーンズの熱狂的なファン。
去年のポストシーズンは西へ東へと全国を駆け巡り、仕事は大丈夫か? と本気で心配した。
ボストンのフェンウェイパークやバンクーバー五輪へも軽やかに出かけてしまう。
出世は諦めているのか? それとも出来るエグゼクティブなのか?
それでもかなりファナティックな部分を抱えた人なのではないか?
時々、まりほー! とか叫んだりしてるので脳天気な人なのかな?
“ぽっちゃり”と“丼食太”とか自称しているのでやっぱりデブなのか?
イラストから察するに185センチ120キロくらいのプロップ体型か?
そんな印象を持ったまま去年8月に大阪でお会いした。


きわめて真っ当な人でした。
ファナティックなところは全く感じられない。
デブでも巨体でもない。
飲んで大声を出すタイプでもない。
理知的であくまで穏やかな印象、語り口もマイルド。
一緒にいて人にプレッシャーを与えたり緊張させない方でした。
思えばブログの文体そのまま、心拍数が安定して落ち着く感じ。
失礼千万な先入観お許し下さい。


丼さん、マリーンズファンである前に野球ファンなのです。
大学野球、高校野球、MLBも詳しく、Jスポーツじゃないけど本当に“野球好き”なんだと思う。
歌舞伎を見れば更新してくれる。
そのレビューも楽しみの定番。
ワセダラグビーの記事は年一でお祭り状態になるそうだ。
コメントへの回答も気配りが感じられ仕事で培われたであろう処理能力でさらっと場を正常化する。
ただ僕と同じで美味しいものがお好きで体重的な問題は常時抱えているらしい。
オススメの神戸『グリル末松』、S&Gのコンサートあとで行かれた麻布十番『鶏繁』、
負けちまった夜に行かれた博多の『龍道』、最近では赤坂『盛一』の昼定食にそそられます。
ブログの王道 ぽっちゃり道、楽しみにしてます。
そして、何よりも僕と違い真っ当な勤め人なのにどこへでもお出かけする行動力に感服
もうひとり眼鏡堂さんとフリーダム戦士の好敵手として今年も神出鬼没となれますように。

 

「三十路の案外たのしい日常」 http://blog.livedoor.jp/keitacsr-new/
   
三十路さんは丼さんと同じ会社に勤める名前の通りの30代前半。
「新・ぽっちゃりスポーツ天国」がリンクしていたので何度か覗くようになった。
「三十路の案外たのしい日常」のタイトルから想像するのは…。
他愛もないグルメとか買い物とか趣味の映画の感想を綴ったほのぼのとしたOL日記。


ところが!
最近も当局(熊本支局)の手入れが入ったダークなブログなのです。
R-30指定。
(怒らないで下さいね。あとでちゃんとフォローするから)


最初に目にとまったのは甲子園の8号門クラブの記事。
http://blog.livedoor.jp/hatchobori30/archives/2010-03.html?p=2#20100321
この8号門クラブについて僕が日記に書いた。
http://d.hatena.ne.jp/shioshiohida/20100327/1269655498
丼さんが僕の日記のことを知らせてくれたらしく三十路さんがコメントをくれた。
巡回するようになったのはその頃、去年の4月くらいから。


過去の記事に遡って読んでみた。
何度も吹き出した。
うひゃひゃと声に出して笑った。
少なくとも僕は一度も見たことのないタイプのブログ。
笑いのレベルが高い。
キレているように見せて自虐で落とすのが持ち芸か。
怒ってもボヤいても最後は必ずオチをつけて笑わせる。
読み始めると止まらなくなって気がつくとなぜか心拍数が上がっている禁断の読み物。
50数年生きてきてこんな女性には初めて接する。
危険な女!
いや、そもそも女か?
男じゃないのか?
おもろいオッサンが女を語って書いてるのでは?
(度重なる暴言。すいません。あとでちゃんとフォローしますから)
職業作家っぽいのだ。
ナンシー関とか岸本佐知子とかのエッセイを思い出す。
この才能をブログに埋もれさせておくのは惜しい。 
編集プロデューサーだったら、と思うが僕には売り出す術がない。


謎の人。
去年8月、大阪で会うことになった。
その前に眼鏡堂さんに「三十路さんってどんな人なの?」と聞くと「ふふふ」と意味深な答え。
さぞかしエキセントリックな女性ではないかと想像した。
そもそも会話が成り立つだろうか?
先鋭的な笑いについていけなかったらバカにされるのではないだろうか?
事前のコメントやメールのやりとりは丁寧だけど飲んだらオッサンに変貌するんじゃないか?


初めて会ったのは去年、夏の甲子園、あの8号門前でした。
初対面。
わ、美人!
そう思った瞬間、キンチョーした。
なーんだ眼鏡堂め、美人ならそう言って欲しかった。
心の準備が出来てなかった。
三十路さんも丼さんと同じく真っ当な方でした。
聡明そうな話し方をするキレイな女性でした。
だいたい想像してましたけどね。(って?)
というか、変な人に会ってネタになることを少し期待してたのかもしれない。


多才の人です。
ツイッターのアイコンになってるイラストも本人の手によるもの。
肥後狂句の去年の新人王にて最年少選者でもある。
(肥後狂句:熊本の話し言葉で作る五七五の句。社会風刺やユーモアを織り込む)
彼女のセンスの良さが際だったのはこの記事。  
漢詩 三十路之日常 http://blog.livedoor.jp/hatchobori30/archives/2010-04.html
センスあるなあって単純に驚いた。
他にも実は僕の知らない才能が隠れていそうな気がする。
でも、あまりレベルが高くなると婚活の障害になりそう。
抑えておきましょう。


思えば文楽を見ようと思ったのも三十路ブログがきっかけだった。
年末の高校サッカー、年始の春高バレーでは盛り上がりました。
僕は小ネタ集と歌舞伎レビューのファンです。
更新回数に季節変動が大きい。
8月がピークを示すのは電力消費量と比例している。
ひとつ困るのは読んでいるうちに文体がうつることです。


てなわけで丼さん、三十路さん、そして僕3人の飲み会は夏以来。
大阪京橋の『白頭園』でのリポートはいまだ書いてない。
第一印象をメモってるのだけど今読んでも何のことかよくわからない。
今回ブログの紹介でリポートに代えさせていただきます。


今回は緊張せずに話が出来た。
 ・プロ野球キャンプの話
 ・もちろん佑ちゃんに期待しているという話
 ・三十路さんの婚活戦略
 ・次いつ飲むかという話
 ・文楽の話
 ・歌舞伎の話
 ・ペットボトルを片付けたという話
 ・えりぼうの話
 ・お互いのブログの話
 ・眼鏡堂さんが福山雅治といっしょに中央線に乗った話
ココイチ伝説の話はしましたっけ ?
つまみは、ねぎま鍋、穴子の白焼き、オムレツ、鮪の唐揚げ、などなど。
どれも美味しかったが話すのに夢中になると味わうことは二の次になってしまう。
アルコールが会話の燃料になる。
ビールに始まり、純米酒、にごり酒、焼酎ロックと止まらない。


ほろ酔い加減のころ。
西宮から連れてきた我が家の王子てんが登場。
お二人は小汚いぬいぐるみに驚いただろうか。
三十路さんになでられて傍らにずっと座っていた。 
犬喜びして夏まで風呂には入らないそうだ。
ま、入れる気もない。
ぬいぐるみの洗濯ってけっこう大仕事なのです。


結局、店に残った客は僕らが最後。
閉店となるまで飲み続け話し続けた。


嬉しいことにお二人から誕生日プレゼントを頂く。
丼さんからは、マリーンズのキャップ、バンクーバー五輪のミトン。
三十路さんからはチョコレートとバファリンと360モンキーズのDVD。

チョコとバッファリンって何か隠された意味があるのだろうか。
チョコはやるけど、勘違いするなよ、バファリン飲んで目覚ましとけということか。
あるいは、虫歯になったら痛み止めにどうぞとか、いろいろ考えたけど意味不明。


予想もしなかった贈り物の数々、嬉しかったです。
自分が人気者になったと錯覚して幸せな気分で宿に戻る。