2012/2/9 冬の朝 Photobook 0209

NIKONのデジタル一眼レフを肩に30分ほど散歩する。
風はなく、よく晴れて空の青が濃い。
自宅マンションから歩いてすぐのところにある一軒家の庭に黄色い花が咲く。
12ヶ月の花の駅伝リレー、1区は蝋梅(ロウバイ)。
英名がウインター・スイートというだけあって甘い香りが漂う。
沈丁花、山梔子(くちなし)、金木犀
香りのよい花の御三家に次ぐのが冬に咲く蝋梅だ。
この花の名所は関東に多い。
群馬の「ろうばいの郷」には12000本が植えられている。
http://www.roubai.com/
http://www.youtube.com/watch?v=S8Xp67lQIeM

 

同じ家の庭に木が赤い実をつけていた。
南天の実に似てるけど樹が違う。
同じ庭に黄色と赤が鮮やかだ。

 

夙川にかかる石造りの葭原橋(あしはらばし)。
毎朝、この橋を甲陽学院中学の生徒が渡って学校へ通う。
老朽化で危険だということで取り壊しの話もあったが修理して残すことになったようだ。
村上春樹のエッセイに登場して有名になったからだろうか。


  僕の家と学校の間には、川が一本流れている。
  それほど深くない、水の綺麗な川で、そこに趣のある古い石の橋がかかっている。
  バイクも通れないような狭い橋である。
  まわりは公園になっていて、キョウチクトウが目かくしのように並んで茂っている。 
  橋の真ん中に立ち、手すりにもたれて南の方に目をこらすと、
  海がきらきらと光を反射させているのが見える。


                   (村上春樹「ランゲルハンス島の午後」)

渡ることが出来るのは人間とペットだけ。
最近は海外からも観光客が訪れているらしい。
http://kouroenhama.at.webry.info/201106/article_3.html


「海がきらきらと光を反射させているのが見える」
村上春樹がそう書いた南を見た風景。
実際にはもうひとつ車の通る橋が架かっているのでこんなふうには見えない。
正確には臨港線の橋から見た海。
たぶん村上春樹が住んでいた頃は埋め立てもされてなくて海だけがキラキラと光っていたのだろう。
写真の右手に「火垂るの墓」に登場する西宮回生病院があり、対岸には雪印の牛肉偽装を告発した西宮冷蔵がある。


こんな記述がある。
「橋の真ん中に立ち、手すりにもたれて南の方に目をこらすと」
写真でもわかるように橋の手すりは低い。
せいぜい40センチくらいの高さしかない。
これに立ってもたれることは出来ない。
葭原橋がモデルには違いないが「ランゲルハンス島の午後」は架空現実のエッセイだ。


夙川沿いを歩きながら空を見上げる。
センダンの実だろうか、ときどき鳥がついばんでいる。


梅林を歩く。
ことしは開花が遅い。
立春も過ぎたし、沢山のつぼみもあと一押しで開くのだけれど。
がんばれ、お日さん!


と思ったら白梅が咲いていた。
チベットブルーの空に白と花弁の黄が鮮やか。


   二月九日 しらうめ三輪 咲く